不妊治療をしていて、治療費用がかさみ悩んでいるところですが
望み通り妊娠に至った場合にも、検診や出産・育児により出費はかさみ、仕事は休むことで収入は減ることになると思います。
以前から少しでもお金の不安をなくすことができないかと必死に調べていて、いろんなHPを参考にしないといまいちよくわからなかったので、私なりに、出産にかかわる給付金についてまとめました。
また、今回のお話は会社員として働いている方に対するものですので、扶養内の方やフリーランスの方は異なっているのでご注意ください。
個人のブログを参考にしたのではなく、厚生労働省や協会健保のHPを情報源にしています。
妊娠をしてからの時系列順にもらえる給付金に関してまとめました。
妊婦健診費用の補助
こちらは妊娠時の検診にかかるお金を補助してくれるものになります。
検診時の14回分を補助してくれるという点はどの自治体でも共通しているようですが、調べた限りではお住まいの地方自治体によって補助の手厚さは異なってきます。
母子手帳をもらってから、補助券をもらうことになるためこの初回の妊娠判定の診察は対象になりません。
出産育児一時金
出産した方はみんな受け取れる、健康保険協会(協会けんぽ)からの助成金になります。
申請すると1児につき42万円が支給されます。
ちなみに悲しい話ですが、この一時金の対象は『妊娠4か月(85日)以上で出産をした人』になるため、早産・死産・流産・人工妊娠中絶も支給対象として含まれます。
こちらは、どんな状況でも一律のため特に工夫の必要はありません。
出産手当金
出産手当金とは健康保険協会から、出産のために働けない間もらえる手当金になります。
出産手当金が受けられる期間
出産予定日の42日目(6週間)前~出産日の翌日から56日(8週間)後までです。
フルでもらうと98日(3ヵ月と2週間)分ということになります。
【予定日とずれた場合】
予定日より早く生まれた場合:98日より早くなった分だけ減ります
予定日より遅く生まれた場合:遅くなった日数分増えます
協会健保が出している早見表があったのでリンクをつけました。ご参考までに。
計算方法
次に、この手当金の計算方法に注目してみましょう。
日当たりの金額:【支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額】÷30日×(2/3)
計算にかかわる『支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額』の『標準報酬月額』がポイントになってきます。
標準報酬月額とは、その金額によって該当する等級が異なります。等級とは、標準報酬月額ごとの位で平成30年の時点では、厚生年金は31段階に、健康保険は50段階に分けられています。(引用:健康保険協会HPより)
出産手当金は健康保険協会から支払われるため、こちらのHPより等級を確認します。地域によって表が分けられていますが、等級の出し方に地域による差はありません。
【応用編】等級による給付金額の差
そこまで細かく考える必要はないと思いますが、応用編としてここで注目したいのは、月額が195,000円を超えてくると等級の刻み方が2万円単位になるということです。
例を挙げますと、額面で月23万円もらっている人も25万円もらっている人も標準報酬の等級は19で24万円という区分に入ります。
12か月間(1年間)給料が249,000円で等級19だった場合、出産手当金は
1日当たり:240,000÷30×2/3=5333.333(小数点1位を四捨五入)=5,333円です。
一方、12か月間(1年間)給料が251,000円だは等級が1つ上になり26万円の区分に入ります。その場合、出産手当金は
1日当たり:260,000÷30※×2/3=5333.333(小数点1位を四捨五入)=5,778円です
※30で割った時に割り切れない場合は、小数点第1位を四捨五入
等級が1つ違うだけで445円の差になりました。
445×98日=43,610円なので、等級が1つ違うだけで単純計算で4万円近く給付金に差が出ることが分かりました。
ちなみに、この月額報酬は単純な額面なので交通費も含まれるため、半年に1回交通費でかなりもらっている場合にはその分等級が上がる月が2回出てくると思います。
よく社会保険料や健康保険料を下げるために、4~6月は残業しないようにする等工夫をしている人がいるかと思いますが、等級が1つ違うと厚生年金では2,000円健康保険1000円くらい(会社による)月に払う額が増えます。
この仕組みを見てみると多く厚生年金や健康保険料を払っている人が、出産の際にも多くもらえるというのは納得です。
育児休業給付金
最後に、出産手当がもらえる出産8週間後を過ぎた後育児のために休業する際にもらえる育児休業給付金に関してです。
この給付金は雇用保険から支払われます。
給付額
給付金額は育児休業開始から6か月までは休業開始前賃金の67%相当、それ以降は50%相当(子どもが2歳になるまで)になります。
※実際、育児休業期間中は社会保険料が免除されるので休業前の手取りと比べると8割くらいもらえるようです。(参照:厚生労働省 リーフレット)
育児休業給付の受給資格
育児休業を開始した日の前2年間に雇用保険を払っている期間が12か月以上必要です。
途中で体調が悪くて、お休みをしてしまった時がある場合は、1ヶ月に11日以上出勤していれば対象月にあたります。
受給額計算方法
休業開始時賃金日額(※)×支給日数 ×67%(6か月経過後は50%)
※休業開始時賃金日額:育児休業開始前6か月間の総支給額(賞与は除く)÷180
給付金が減ってしまう場合がある事に注意
今話題になっている確定拠出年金(企業型DCや個人型のiDeco)をやり始めている方も多いのではないでしょうか。
私の会社でも、2年前くらいに選択制確定拠出企業年金制度が導入されました。
選択型というのは今まで給与としてもらっていた分の1部が掛金として選ぶこともできるし今まで通り受け取ることもできるというものを指しています。
この企業型DCは節税ができることに加え、会社が運用管理手数料などを負担してくれることもあり、個人型のiDecoより魅力的だと感じましたが、出産にかかわる給付金にはデメリットもあります。
私はこれを知って、妊娠する可能性がある今の期間は企業型DCをやることは先延ばしにしました。
企業型の確定拠出年金の仕組みと給付金の関係性
企業の選択型確定拠出年金では、給与から引いた掛金を積み立てて投資信託を購入したりして資産を形成していくものになります。
この掛金には税金がかからないことで、節税効果があるというメリットがあります。
(他にも運用益が非課税などのメリットもあります)
ただこれは言い方を変えると、月の給与が下がったように見せかけているのに等しいです。
つまり確定拠出年金で月2万円の掛金をかけてしまうとその分、標準報酬月額では等級が1つ下がり、休業開始時賃金日額も減ってしまい、もらえる出産手当金も育児休業給付金も減ってしまいます。
この理由もあり、私は出産・育児の可能性がある今は企業型DCは控えています。
おわりに
まだ出産も育児も先のことかもしれませんが、制度がわからないまま迎えたくないという思いで勉強しました。
これから出産育児を迎える方々の参考になりましたら幸いです。